Angel Eyes
Try to think that love's not around
Still it's uncomfort'bly near
My old heart ain't gainin' no ground
Because my Angel eyes ain't here
Angel eyes that old devil sent
They glow unbearably bright
Need I say that my love's misspent
Misspent with Angel eyes tonight
So drink up, all you people
Order anythling you see
Have fun, you happy people
The drink and the laugh's on me
Pardon me, but I've gotta run
The fact's uncommonly clear
Gotta find who's now "number one"
And why my Angel eyes ain't here
1953年、アール・ブレント作詞、マット・デニス作曲。マット・デニスはピアノの弾き語りの名手という呼ばれ方をされていますが、結構ジャズのスタンダードを作曲しています。 この「angel eyes」を始め、「violets for your furs」「will you still be mine?」「everything happens to me」「the night we called it a day」などの作品は みんな彼の手によるものです。この「angel eyes」はアイダ・ルピノ主演のサスペンス映画、『Jennifer』(53年)に使われましたが、映画は失敗で曲だけが残ったという よくあるパターンのようです。
マット・デニスは1914年ワシントン州シアトルに生まれ、ボードビリアンの両親のもと、ピアノを習い、ロサンゼルスの高校に通う頃は学生バンドのリーダーを務めたそうです。 1933年、当時の人気ダンスバンド、ホレス・ハイト楽団のピアニストとしてプロデビュー。以降声楽教師、編曲者を経て1940年、名門トミー・ドーシー楽団の専属アレンジャーに 起用されるまでになりました。その後第二次世界大戦中はグレン・ミラーの空軍バンドの一員として働きましたが、戦後はピアニストとして独立、全米のクラブを中心に弾き語りの 名手としてその名声を高めていきました。
この曲、まず作曲したマット・デニスが歌っています。あとフランク・シナトラ、ジューン・クリスティ、ジュリー・ロンドン、エラ・フィッツジェラルド、レディ・キムなど色々な歌手に歌われています。でも私の好みから言うと、チェット・ベーカーのあの中性的なハスキー・ボイスがなんともこの曲には合っていて好きです。そう、歌っているんですよ、あのチェット・ベーカーが!!もう30年以上も前、 学生時代に買ったレコードでタイトルも忘れてしまいましたが、また聴きたいと思ってずっと探しているのに出てこない!ならばCDで聴こうとショップに行って探すのですが…、 ないッ!すっかり幻の名盤になっていたのですが、最近になってようやくネットで見つけました〜!LPのジャケットとは違うような気がしますが、中の曲は多分、同じだったような…。 うれしいッス!
他にはジャズ・コーラスグループのフォア・フレシュメンが5本のトロンボーンと競演し、なんとも素敵なコンビネーションを生み出している 『FOUR FRESHMEN AND FIVE TROMBONES』が私の中では☆☆☆☆☆なのです。イエーィ!
この曲、でも歌詞を見るとちょっと悲しいというか、切ないというか、情けないというか、振られた男のやるせなさが出ていて、 いいですよね。エッ?暗いって?だって失恋の歌なんですから。天使の瞳を持った彼女をみんなに紹介しようと待っているのに、来るはずの彼女が来ない…。 そのときのあせり、寂しさ、悲しさ、切なさはたまらないですよね。もういても立ってもいられない気分で、「Pardon me, but I've gotta run」と言って彼女を探しに席を外す。ウン、分かるなぁ、その気持ち。
エッ?ずいぶん同情してるって?だって失恋の痛みなら一応人並みには(人並み以上かも?)経験しているんで。で、これで立ち直るのにまた時間がかかるんですよね。 特に男の場合は。その点女性は逞しい!そのときは涙なんか出して泣いたりしてもすぐにケロッとしちゃうのは女性の方ですからね。 きっとこの女性、もう彼のことなんか眼中になくて、もう別の男としっかり手を組んで歩いていたりしているんだと、僕は思っています。 『someone to watch over me』 のところでも書きましたが、生き抜く生命力みたいなものは比べものにならないほど 女性の方が強いんですから。こと生命の原動力ともなる「恋愛」に関しても女性の方が逞しいのは当然の話。あッ、また言ってしまいましたね。 別に女性に対して個人的に恨みを持っているわけでは決してありません。念のため。^_^;
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