
もともとはシャンソンの名曲だった「枯葉」が、いつの間にジャズの定番になって
しまったんでしょうか。
きっと多くのジャズメンが名演と呼ばれる演奏を長い間積み重ねてきたことで、
多くの人の胸にジャズとしての「枯葉」が染み込んでいったのでしょうね。
The falling leaves drift by the window
The autumn leaves of red and gold
I see your lips the summer kisses
The sun burned hands I used to hold
Since you went away the days grow long
And soon I'll hear old winter's song
But I miss you mast of all my darling
When autumn leaves start to fall

私がAutumn Leaves と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、マイルス・デイヴィスとキャノンボール・アダレィが共演した例のブルーノート盤です。
まるで研ぎ澄まされた静寂の世界に入り込んだような、そんな「無我の境地」(ってよく分からないけど)みたいな想いを味あわせてくれる、私にとってはそんな一曲です。
あの淡々としたノリが何とも言えずにいいんです。(一人で納得?)
それに比べるとムード・オーケストラなどで演奏する「枯葉」ってまるで別の曲みたいに聴こえてしまうから不思議です。別に嫌いというわけではないのですが、ここまで違ってしまうと逆にこの曲の持つ幅広さというか、素材としての秀逸さを感じます。バッハの曲がクラシックとジャズの両方から取上げられるのと同じように、この曲は色々なジャンルから取上げられやすい要素があるのかも知れませんね。キース・ジャレット、エロル・ガーナー、デューク・ジョーダン、ウイントン・ケリー、オスカー・ピーターソン、ビル・エバンス(アルバム、『ポートレイト・イン・ジャズ』の演奏が有名ですが、フルートのジェレミー・スタイグをフィーチャーした『ホワッツ・ニュー』の演奏もグッドです♪)などピアノの演奏が比較的多い気がしますが、もちろん他の楽器でも数多くの名演が多数あります。ポール・デスモンドのクールなアルトは個人的にかなり好みだったりします。ボーカルでもナット・キングコール、ジョー・スタッフォード、サラ・ボーン、ドリス・デイ、パティ・ペイジなど大勢の歌手が歌っています。

