Begin The Beguine



When they bigin the beguine
It brings backs the sound of music so tender
It brings back a night of tropical spendour
It brings back a memory ever green

I'm with with you once more under stars
And down by the shore an orchestra's playing
And even the palms seem to be swaying
When they begin the beguine

To live it again is past all endeavour
Except when that tune clutches my heart
And there we are swearing to love forever
And promising never, never to part


What moments divine, what rapture serene,
Till clouds came along to disperse the joys we had tasted,

And now when I hear people curse the chance that was wasted,
I know but too well what they mean;
So don’t let them begin the beguine
Let the love that was once a fire remain an ember;
Let it sleep like the dead desire I only remember
When they begin the beguine.

Oh yes, let them begin the beguine, make them play
Till the stars that were there before return above you,
Till you whisper to me once more,
"Darling, I love you!"

And we suddenly know what heaven we’re in,
When they begin the beguine

When they begin the beguine






1935年、コール・ポーターがミュージカル「ジュビリー」のために作詞・作曲。当時はそれほど注目されなかったようですが、1938年にクラリネットの
アーティ・ショウがRCAビクターから出した『インディアン・ラブ・コール』の裏面に入れられてからは俄然注目を浴びるようになり、インストとして200万枚という記録的な売上となりました。さらには映画、『Broadway Melody of 1940』と『Night and Day』にも使われるなどして、以後F・シナトラ、ペリー・コモアン・マーグレットほか数え切れないくらいのアーティストにカバーされスタンダード中のスタンダードとなりました。トランペット・ボイスと言われるジョー・スタッフォードもこの歌を歌っています。

もともとビギンというのは、カリブ海の南米ベネゼラとプエルト・リコの間に位置するフランス領西インド諸島(マルティーニク島、グアドループ島、セントルシア島など)に起こったダンスのリズムのことですが、それが1930年代にヨーロッパ、アメリカに紹介されてポップ化されていったようです。ポーターもこのビギンのリズムを聴いて自分なりに解釈し、この曲を作ったといわれています。

そういえばこのビギン、トロピカルなムードがあっておおらかなリズムは、ハワイアンにも通じるところがあるような気がしますが、こちらの方が歯切れがあって加工しやすい分だけスタンダードとして受け入れやすかったのかも知れませんね。今ここでかかっている曲はもう完全にジャズ化されていますが、ビギンのリズムを残した曲となるとこんな感じが一般的ではないかと思います。

ところでこのコール・ポーターという作曲家ですが、もともとエリートの家系だったようで、初めは本人の希望とは異なるハーバード大学に入学、法律を学びますが、彼の関心はもっぱら音楽にあり、結局エール大学に転入、音楽を学ぶことになります。そのエール大学在籍中、既に300曲もの作曲をしていたそうです。しかし彼の人となりについては、結構つかみどころがない人のようで、いろいろなデマ、ゴシップも数多くあり、複雑怪奇な人間というのが一般的な評価のようです。しかし、『All Of You』、『You'd Be So Nice to Come Home To』、『Just One Of Those Things』、『Love For Sale 』、『My Heart Belongs To Daddy』、『Night And Day 』、『Anything Goes』などのスタンダード曲がみんな彼の作品であることを考えると、大変な才能を持った人であることは間違いないようです。

この曲、ちょっとジャズとはかけ離れたというか、学生時代、普段ジャズの曲を練習していてその中に何故こういう曲が入っているんだろうというのが正直な印象でした。何かちょっと力が抜けるというか…、そんな感じでしたが、これは多分僕がこの曲をボーカルで聴いたことがなかったからなのかも知れないと思えるようになりました。またこういうリズムでもジャズにしてしまうというジャズの懐の深さみたいなものも感じます。それにこれだけのアーティストが歌い、このメロディー、この歌詞であればこれだけのスタンダード曲になったのもうなずけるというものでしょうね。








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