The Girl from Ipanema
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Tall and tan and young and lovely
The girl from Ipanema goes walking
And when she passes, each one she passes goes - aah
When she walks, she's like a samba
That swings so cool and sways so gentle
That when she passes, each one she passes goes - ooh
(Ooh) but I watch her so sadly
How can I tell her I love her
Yes I would give my heart gladly
But each day, when she walks to the sea
She looks straight ahead, not at me
Tall, (and) tan, (and) young, (and) lovely
The girl from Ipanema goes walking
And when she passes, I smile - but she doesn't see (doesn't see)
原題は≪Garota de Ipanema≫。アントニオ・カルロス・ジョビン作曲、ヴィニシウス・ジ・モラエス作詞による1963年の作品で、ボサノバの代名詞ともいえる歌です。この歌は何といってもこの歌を歌ってデビューし、ボサノバの女王と言われたアストラッド・ジルベルト抜きには語れないでしょう。実はこの曲、当初ご主人であるジョアン・ジルベルトが歌って彼女は歌う予定ではなかったそうです。が、たまたまアストラッドが歌うのを聴いたアルバム・プロデューサーの クリード・テーラーは「この曲は彼女の歌で絶対にヒットする」と予感し、別テープで録音していた彼女の歌を合成して「Getz/Gilberto」のアルバムに入れたのです。 そしてシングル盤の方は何とジョアンの歌をカット、彼女の歌だけにするという大胆な試みが見事に当たりました。あくまでも芸術性を追求するジョアンは ポルトガル語の自分の歌にこだわりますが、そんな彼の意向とは裏腹に曲は世界的ヒットとなりミリオンセラーを記録、グラミー賞まで獲得してしまいます。
上の英詩は1963年にアルバム・プロデューサー、クリード・テーラーが「Getz/Gilberto」を作ったとき、ノーマン・ギンベルによって書きあげられたものです。 モラエスの原詩に比べるとやや軽目に仕上がっているようですが、それがまたあのアストラッド・ジルベルトの軽い歌い方とマッチしていたことも 世界的な大ヒットに繋がった一因にもなっているようです。彼女は当時全くの素人でしたが、夫のジョアンや先輩格のナラ・レオンから学び彼女独特のビブラートのかからない 澄んだ歌声が新鮮なボサノバのリズムに乗って世界中を駆け巡ることになったのです。
この曲の主人公でもある「イパネマの娘」さんは、実は実在するそうです。 ブラジル、リオのイパネマ海岸にあるカフェテラスにかつて若かりしアントニオ・カルロス・ジョビンが毎日通っていました。 いつもその前を通る美しい女性のことを想ってこの曲を書いたと言われていますが、プロデューサーのクリード・テーラーがジョアンをカットしてアストラッドを起用したのは その話がかなり広まってきたため、アストラッドのイメージをその女性にダブらせようとした巧みな計算があったのかも知れません。 それにしてもアストラッドの声は軽くて柔らかくてそよ風のように心地よく耳に入ってくる、それにスタン・ゲッツのバック・ソロがクールでその雰囲気を さらに盛り上げてくれる…、そんな癒し系の元祖のような、素敵な曲だと思います。