My Funny Valentine


My funny Valentine, Sweet comic Valentine
You make me smile with my heart
Your looks are laughable, unphotographable
Yet you're my favourite work of art

Is your figure less than Greek?
Is your mouth a little weak?
When you open it to speak, are you smart?

But don't change a hair for me
Not if you care for me
Stay little Valentine stay
Each day is Valentine's day




1937年のブロードウェイ・ヒットミュージカル「ベイブス・イン・アームス」(Babes in Arms)の中で使われた曲。作曲リチャード・ロジャース、作詞ロレンツ・ハートのコンビで作られ、スタンダードになりました。舞台ではミッツィー・グリーンが歌いましたが、同名のMGM映画ではこの曲は歌われていないようです。(ジュディー・ガーランドがミッキー・ルーニーと共演している映画ということで、ジュディー・ガーランドがこの曲を歌っていると書いておりましたが、実際は『Lady is a tramp』という曲だけがバックで使われただけのようです。当サイトの掲示板でご指摘を受けましたので、お詫びして訂正させていただきます<2009/12/31>)その後エラ・フィッツジェラルドカーメン・マクレエアニタ・オデイレナ・ホーンサラ・ボーンキャロリン・レンハートなど多くの歌手によって歌われてきました。インストではマイルスの演奏が一番有名ですが、フランスの伊達男、バルネ・ウィランのクールな演奏も聞き逃せません。


「私の可笑しなバレンタイン、愛しく面白いバレンタイン、あなたは心の底から笑わせてくれる。あなたの顔は吹きだしそうで、写真写りもよくないけれど、あなたは私にとってお気に入りの芸術品なの」と、そのあともメチャクチャにけなしておいて、でもそういうあなたが好きという女性から男性へのラブ・ソングとなっています。(これが男性から女性へだとしたら…、貴女の顔は吹きだしそうでと言った瞬間にもう彼女は姿を消してしまっているか、全治1週間程度の往復ビンタを喰らっているかのどちらかでしょう)

ところで「Valentine」という名前ですが、まず思い浮かべるのはキリスト教の聖者、聖バレンチノということになると思います。2月14日のバレンタインデーのルーツとなったお方と言った方が分かり易いかも知れませんね。ローマ時代、当時のローマ皇帝に背いて禁止された結婚をしたために殉教した人で、死を恐れず愛を貫いた人物として愛の象徴的な存在として知られています。この曲を作詞したロレンツさんは果たして聖バレンチノを思い描いてこの詩を書いたのかどうかは分かりませんが、もしそうだとしたらこんな聖人さえも可笑しな顔をした愛すべき人物にしてしまうやや強引とも思える大胆な発想はなかなかのものだと思います。(Each day is Valentine's day と言っているくらいですからきっとそうなんでしょうね) 詩の中身は明らかに女性のものですから歌っているのは女性歌手が多いのは当然ですが、何故かフランク・シナトラ、ナットキング・コール、チェット・ベイカーなど男性歌手も歌っています。そう、男でも女でも…、今も昔も…、どこの国でも…、好きになってしまえば容姿なんて関係ない!どんなに欠点があったとしても、それは全く気にならないどころか美しくさえ見えてしまうんですから愛の力って不思議ですよね。Love is blind は向こうの言葉ですが、日本でも昔から言うではありませんか。アバタもエクボ……なんて言ってはミもフタもないか。



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