Over The Rainbow


Somewhere over the rainbow way up high
There's a land that I heard of once in a lubbaby
Somewhere over the rainbow skies are blue
And the dreams that you dare to dream really do come true

Someday I'll wish upon a star and wake up where the clouds are far behind me
Where troubles melt like lemon drops, away above the chimney tops
That's where you'll find me

Somewhere over the rainbow bluebirds fly
Birds fly over the rainbow, why then, oh why can't I ?




ミュージカル映画『オズの魔法使い』の主題歌として有名になった曲です。E・Y・Harburg 作詞、Harold Arlen 作曲で、映画は1939年、MGMの製作。 当時はほどほどの成功だったようですが、1956年に初めてTVで放映されるようになると俄然人気となり、以降毎年のようにクリスマスなどで採り上げられるようになったようです。 映画では当時16歳のジュディー・ガーランドが歌い、アカデミー歌唱賞を受賞しましたが、ジュディーの他には、サラ・ボーンローズマリー・クルーニー、ロレス・アレキサンドリア、サリナ・ジョーンズなど多くのシンガーが歌いスタンダードな曲になりました。

童話としての『オズの魔法使い』はL・フランク・ボーム(1856年生まれ)が1900年に書いた、「The Wonderful Wizard of Oz」が映画の原作となっており、シカゴでミュージカルとして公演し成功を収めた後、ブロードウェイでも公演されました。「The Wonderful Wizard of Oz」の4年後には子供達の熱望により「The Wonderful Wizard of Oz」を出版、その後もオズシリーズを書き、最後の1920年「Glinda of Oz」まで合計14冊が出版されました。




で、この曲ですけど、大好きなんです。メロディーも詩も、夢や希望がいっぱい詰まっている感じがして…。

でもそれだけじゃなくて、なぜかちょっぴり切ない甘さとほろ苦さがあって、それがいいんだなぁ。そう、もしかしたら自分の幼い頃を思い出しているときの気分に似ているかも 知れませんね。楽しいことを思い出しているのに何故か切ない気持ちになってくる…。不思議ですよね。まだ子供らしい夢を持っていた頃の自分を思い出すからなのでしょうか。

『夢』という宝物を握りしめて、まっすぐに生きていたあの頃…。そう、ドロシーが故郷のカンザスに帰りたい一心で夢中になって行動するあの純粋さと共通する何かを 持っていたような気がするのです。でもそれは、遠い子供の世界に置いてきてしまった、もう二度と手に入らない宝物のような気もします。だから、 切ない気持ちになってしまうんでしょうね。夢、憧れ、希望…、こういった言葉が日常の現実に埋もれてしまっている『今』に生きている自分。 でもこういう素敵な曲を聴くと埋もれていた大切なもの≠ェ甦ってきて素直に感動し、涙が出そうになります。

先日、息子の友人Joe君がイギリスからやってきました。2週間の休暇で日本各地を旅行する途中、我が家にも泊まりにきてくれたのです。その彼にこのサイトを紹介しましたが、この曲を聴いて彼はこのサイトには載せていないエヴァ・キャシディの「Over the rainbow」を逆に紹介してくれました。YouTubeで初めて聴いたその素晴らしい声にとても感動しました。エヴァ・キャシディは1996年に黒色腫(皮膚癌の一種)により33歳で夭折したアメリカの歌手です。鳥として生まれたからにはさえずらずにはいられないように、唄うべくして生まれ出た歌手と言われるほどのピュアで澄んだ声の持ち主です。『Live at Blues Alley』のアルバムでは、「エヴァ・キャシディのボーカルには、アレサ・フランクリンのソウルとビリー・ホリディのくすんだメランコリーとジャニス・ジョプリンの生々しい情熱がひとつに溶けあっている。だが、その声が二度とレコーディングされることはない」(Mark Walker, Amazon.co.uk) と書かれています。その彼女が歌っている「Over the rainbow」、今回は、ジャズのジャンルにこだわらずに取上げてみました。  (2009/10/31)






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