It's Only A Paper Moon





Say, it's only a paper moon, sailing over a cardboard sea
But it's wound't be make beleave, if you believed in me
Yes, it's only a canvas sky, hanging over a muslin tree
But it wouldn't be make believe, if you believe in me
Without your love, it's a honkytonk parade
Without your love, it's a melody played in a penny arcade
It's a Barunum and Bailey world just as phony as it can be
But it would't be make believe if you belelive in me



1933年、エドガー・イップ・ハーバーグとビリー・ローズ作詞、ハロルド・アーレン作曲。映画『ペーパー・ムーン』 (ピーター・ボグダノヴィッチ監督)のテーマに使われた歌です。ライアン・オニールとテータム・オニールの実の父娘の共演ということで話題になリました。

内容としては、突然、母親が死んで一人ぼっちとなった少女アディと、彼女を遠い親戚のおばさんの家まで連れて行く役目を負わされた詐欺師モーゼのおかしな旅の物語。 そのおかしな旅とは、ふたりで力を合わせて人を騙し、大金を稼ぐというもの。モーゼは最初アディをわずらわしく思っていたのですが、旅を続けるうちに 最後彼女と心を通い合わせるようになるというお話。

本当の親子でなくても、紙の月(ペーパー・ムーン)のように、本物以上に暖かい親子関係になれるというのがテーマのようです。 「たとえ紙の月だってあなたが信じればそれは本物になる」なんて素敵な言葉ですね。最初はこの歌、『 If you belelive in me 』という題名だったようですが、 親子でも夫婦でも恋人同士でも、、愛する人をいつまでも信じることができたら、こんなに幸せなことはありませんよね。

      


フリーペーパー「TOUT VA BiEN」ライターの小野泰子さんはこうおっしゃっています。
実際に、テータムとライアンは親子なのですが、 二人はずっと離れて暮らしていました。テータムが「パパと会えるのなら映画に出たい」と言ったことにより映画出演が決まり、これをきっかけにライアンが引き取ることに なったそうです。テータムはパパと一緒に過ごすチャンスを普段から狙っていたようです。

子供は時に、自分を守るために思いがけない発言をしてみたり、行動を取ることがあるように思います。知恵が働くというか、子供の本能的なものなのでしょうか。 そんな子供の気持ちとは裏腹に、当時プレイボーイだったライアンは、毎日のようにテータムを華やかなパーティへと連れて行き、いつも会場に彼女ひとり置き去りにして、 他の女性と帰ってしまったと映画雑誌で読みました。その雑誌には彼女の幼少時代は、いつも寂しく孤独に包まれていたと書いていました。私には、父親に気に入られようと 一生懸命演技する「ペーパームーン」のテータムは、アディの想い、アディの願いと重なって見えてしまいます。

幼くしてゴールデン・グローブ最優秀新人賞を受賞し、大俳優やアンディ・ウォーホルなどから可愛がられ、世間では天才少女と騒がれても常に心は満たされず 幸せを感じることは出来なかったのでしょう。あんなに絶望的な暗い瞳をした子供を今までに見たことがありません。

♪信じあえば、愛しあえば、助けあえば、紙のお月様だって、ほら! 本物に見えるでしょ! と歌ったペーパー・ムーン。

アディは大切に抱えていた宝箱の中の思い出と共に、偽物の月がいつか輝く時をずっと夢見て願っていたに違いありません。テータム・オニールとともに。





なるほど、アディ役のテータムは実生活でもアディと同じ気持ちを抱いていたんでしょうね。でも父親のいない娘が父親を思う気持ちって、 どんなものなんでしょうか。

「私のダディーなの?」「違うよ」「あごが同じだわ」「あごなんか皆おなじさ」‥

この会話の部分、父親を欲しがる少女の切ないほどの気持ちがよく現れていて私の好きな個所です。どんなに小憎らしい素振りを見せても、本心は父親と一緒にいたい、 父親の愛が欲しいという思いがあるだけに、見ていて胸が熱くなります。そんなアディと実生活でも同じ思いを抱いていたに違いないテータム。多くの名子役がそうであったように、 年月と共に銀幕の世界から消えていったようです。でもきっとどこかで輝く月を手に入れて幸せに暮らしたと信じています。












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