Softly, As In A Morning Sunrise
1928年、オスカー・ハマンスタインU作詞、シグムンド・ロンバーグ作曲の作品。 オスカー・ハマンスタインUってよく聞く名前だと思ったら、そう、ミュージカルでリチャード・ロジャースと組んで数々の名作を作っているんですね。 「オクラホマ」から始まって、「王様と私」、「サウンド・オブ・ミュージック」など日本でも有名になっているものも多いですよね。 そのオスカー・ハマンスタインUが作詞したこの曲、やはりミュージカル「ザ・ニュー・ムーン」の中の1曲ということですが、一体どんな詩なんでしょう。
Softly as in a morning sunrise
The light of love comes stealing
Into a new born day
Oh,flaming with all the glow of sunrise
A burning kiss is sealing
The vow that all betray
For the passions that thrill love
And lift you high to heaven
Are the passions that kill love
And let you fall to earth
So ends each story
Softly as in an evening sunset
The light that gave you glory
Will take it all away朝日のようにさわやかに
恋の光は新しい一日の始まりに
そっとしのびこんでくる
恋の炎は朝日に燃え
熱い口づけは愛の誓い
その誓いはことごとく裏切られる
情熱は愛を震わせ
天国へといざなう
情熱は愛を殺し
地へも落としていく
そして物語に終わりがくる
輝きに満ちていた恋の光
静かに沈む夕陽のように
そっとすべてを奪って消えてゆく
確かにラブソングではあるようですが、何となく激しいというか、 ちょっと怖い位の切羽詰った雰囲気を感じませんか。 「ザ・ニュー・ムーン」というミュージカルを知らないのでどういうシチュエーションで歌われたか分かりませんが、70年以上前のラブソングでも こと恋愛の機微に関しては現代でも充分通用するような気がします。人間の心が時代と共に進化する、なんていったらヘンですからね。 じゃあ、北京原人やクロマニヨン人の時はどうだったんだと言われると、ウーン、ちょっと困ってしまうけど。少しは進化しているような気もしますが…。
私が考えるには、「人間の先祖」と「人間」の境目にアダムとイヴが登場し、以降、人間としては(特に心の部分は)ずーと現代までそれ程変わらずに来ているのではないか。 (ウーン、新説!)だからそうなんです!(何が?)どんなに時代が変わっても、恋の歌は古今東西通用するのです!(ホンマかいな)
私が最初にこの曲を聴いたのが確かMJQのレコードだったような気がします。ミルト・ジャクソンのクールで小気味よいヴァイブが印象的でした。 他にはソニー・クラーク、ウイントン・ケリー、ソニー・ロリンズなどの演奏がよく聴かれるようですが、 アーティー・ショーの昔の演奏もなかなか味があって聴き応えがあります。 ボーカルではジューン・クリスティーがハスキーな声でやや押さえ気味にクールに歌っているのが印象的です。