The Very Thought of You

The very thought of you

(Verse)
I don't need your photogrph to keep by my bed
Your picture is always in my head
I don't need your portrait ,dear to call you to mind
For sleeping or waking dear I find

(Chorus)
The very thought of you and I forget to do
The little ordinary things that everyone ought to do
I'm living in a kind of daydream I'm happy as a king
And foolish though it may seem to me that's everything

The mere idea of you the longing here for you
You'll never know how slow the moments go 'till I'm near to you
I see your face in every flower; Your eyes in stars above
It's just the thought of you,the very thought of you,my love


イギリス出身のレイ・ノーブルの作詞・作曲。1924年から34年まで英グラモフォンのスタジオ・バンドの音楽監督を務め、その後渡米し自分の楽団を結成しましたが、渡米前の34年にアル・ボウリーの歌で吹き込みヒットしたのがこの曲です。邦題は「君を想いて」。アメリカではグレン・グレイ率いるカサロマ・オーケストラが取り上げています。その後44年の同じ題名の映画 『The very thought of you』の主題歌として使われましたが映画は全くヒットせず、話題にもなりませんでした。49年に夭折のトランペッター、ビックス・バインダーベックの生涯を描いた映画 『Young man with a horn』(邦題『情熱の狂想曲』)でドリス・デイが歌い、人気が高まりました。愛する人に思いを馳せるラヴ・ソングで、ゆったりとしたバラードで演奏され、歌われ続けている曲です。上に載せた以外にヴァースはもう1篇あるのですが、コーラスから歌う歌手がほとんどで、ヴァースから歌う歌手は少ないようです。メロディは当たり前の音をたどって平凡であるとみる向きもありますが、美しい旋律であるがゆえにいつまでも飽きのこない曲であり、味わい深い曲として多くのジャズ歌手から歌われています。映画では『カサブランカ』(43年)でもこの曲が使われましたが、他にも『フォーエバー・ヤング』(92年)ではビリー・ホリデイ、『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』(95年)では
ナットキング・コールが歌っています。
  (Verse)
  ベッドのそばに置いておく君の写真など僕にはいらない
  君の姿はいつも僕の頭の中にあるから
  君を想い描くのに肖像画など必要ないんだ
  寝ても覚めても 君を求めてやまない僕がいるから

  (Chorus)
  君にただただ想い焦がれているだけで
  日常のやらなければならない細々したことを
  何もかも忘れてしまうんだ
  馬鹿げていると思うよ それでも僕にはそれが全てで
  

  君をただただ想い焦がれていると
  理解出来ないだろうけれど
  君がそばにいないと時間の流れまで遅くなるんだ
  花を見れば君の面影を浮かべ
  星を見上げれば君の瞳を見つけてしまう
  君をただただ想い焦がれている
  他ならぬ僕の愛しい人よ


translated by ryu_mama♪

といった歌詞で、今回も素敵な訳詞を ryu_mamaさんにお願いしました。今から75年も前のラブソングなのに、そんなことをまったく感じさせないピュアでみずみずしい世界が歌われています。こういう詩を読むと、いつの時代でも愛情の本質は変わらないと感じさせられます。




さて、多くのミュージシャンが取り上げているこの曲ですが、特にジャズ歌手から好んで歌われています。最初にヒットしたドリス・デイを始め、女性歌手ではビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、アニタ・オデイ、カーメン・マクレエ、サラ・ボーン、ダコタ・ステイトンナンシー・ウィルソンナタリー・コールダイアン・シューアなど。男性歌手ではビリー・エクスタイン、フランク・シナトラナット・キング・コールジョニー・ハートマンなどが歌っています。(実はこのジョニー・ハートマンの渋くて艶っぽい声を聴いてこの曲が気に入ったのでした。^^; )インストではベニー・カーター、アート・テイタム、ハンク・ジョーンズ、レッド・ガーランド、ズート・シムズ、ジョー・パス、ディジー・ガレスピー、アート・ファーマー、ソニー・ロリンズなどのほかグレン・ミラーやスタン・ケントンなどビッグバンドによる演奏もあります。The Very Thought of You / Ray Noble and his orchestra featuring Al Bolly
レイ・ノーブルはこの曲以外にも「Cherokee」や「Goodnight Sweetheart」など有名な曲も作曲しています。イギリスからアメリカへ渡ってから、彼は自分のバンドを作り、そのメンバーにはグレン・ミラーやクロード・ソーンヒルなど、後に有名なビッグバンドを率いるプレイヤーたちがいました。1年ほどニューヨーク、ラジオ・シティのRCAビル最上階にあるRainbow Roomに出演して人気を博しましたが、バンド運営に関してグレン・ミラーと衝突。結局ミラーはバンドを去り、後にスイング期を飾る一大バンドが誕生することとなったのです。その礎となったのはレイ・ノーブル楽団での編曲やサウンド作りであったとされています。

ところで、最近はネットで動画を見る機会がずいぶん増えてきたような気がします。この曲に関しても、色々なプレイヤーの演奏や歌が動画で見ることができます。そこで今回、このサイトでも初めて動画を取上げることにしました。まずはこの曲を最初に歌ったアル・ボウリーがレイ・ノーブル楽団をバックに歌っている動画ですが、画面は当時の舞台映画のようで、今のロマンチックな曲想とは異なっています。(はっきり言ってよく分かりません) しかし、なにか当時の雰囲気を十分に醸し出した、原石のような画面と言えるかも知れません。次はエタ・ジェイムスです。1938年、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれの彼女は、アーシーなシャウトとノリの良さでジャズとR&Bの垣根を越え活躍しています。バックのサックスがなんとも素敵です。 最後は華麗なるトランペットの貴公子、クリス・ボッティ。これも動画ではなくてイメージ写真ですが、アルバム「ITALY」の中に収められており、ポーラ・コールの歌がフィーチャーされています。あの甘いマスクで吹くトランペットの柔らかくてムーディな音色、澄んだポーラの声を聴いているととろけそうになってしまいます。




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PHOTO PRESENTED BY 【Four seasons】
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http://sora.mods.jp/