Unforgettable
Unforgettable, that's what you are
Unforgettable though near or far
Like a song of love that clings to me
How the thought of you does things to me
Never before has someone been more
Unforgettable in every way
And forever more, that's how you'll stay
That's why, darling, it's incredible
That someone so unforgettable
Thinks that I am unforgettable too
この曲はスタンダードでは珍しく映画やミュージカルからではなく、ナット・キング・コールの歌でヒットしました。51年、アーヴィング・ゴードンの作詞・作曲です。59年にダイナ・ワシントンが歌いリバイバルしましたが、なんと言っても91年、ナット・キング・コールの娘、ナタリー・コールが亡きお父さんのテープを聴きながらレコーディングした”デュエット曲”が有名です。その年大ヒットし、グラミー賞の最優秀レコード賞、最優秀アルバム賞、最優秀楽曲賞を受賞しています。コルトレーンとの競演で一躍有名になったジョニー・ハートマン、知的なジャズセンスの持主と言われたボビー・ノリスもこの歌を歌っています。最近ではデビッド・シルバーマンのしっとりとした歌声が何ともいいですね。
この曲、実はずっと失恋の曲だと思っていました。けれど今回アップするのでよく調べてみたら・・・、「いつでもどこにいてもあなたのことが忘れられない。だから信じられない。あなたも私のことを片時も忘れられないと思ってくれていたなんて」という何ともハッピーな歌だったんですね。やはり≪忘れられない≫という語感と、ナット&ナタリーによる亡き父と娘の”デュエット”が去っていった人を思い出させるイメージがあってそのような思い込みとなってしまうのかも知れませんね。でも僕はいつ聴いても感動してしまいます。だって死んだお父さんと一緒に歌えるなんて、そして息がぴったり合って、本当に一緒に歌ってるみたいじゃないですか。『black orpheus』のところでも書きましたが、死んだ人が忘れられず、黄泉の国までも追いかけていこうとする気持ち・・・すごく分かる気がします。それが≪Unforgettable≫ではないでしょうか。
・・・そういえば去年だったか、紅白で平井堅さんが坂本九ちゃんの『見上げてごらん、夜の星を』をやはりデュエットでやっていたけど、あれも感動したなぁ。しかもあの時は九ちゃんの映像が現れて一緒に歌っていたからますます感動してしまいました。かなり前ですけど、ヒデとロザンナの『愛の奇跡』をロザンナが亡くなったヒデの歌と映像に合わせてデュエットしているのをテレビで見ましたが、これはなんかちょっと可哀想な気がしてしまいました。もうちょっと遡ると、カーペンターズもやはりこういう形でやったことがあるみたいですよ。兄と妹というのも何か耐えられない辛さがありますよね。(-_-;)
なのにこの曲、急転直下ハッピー・エンドになってしまうんですからまるで陽気なアメリカ映画みたいですね。僕はこの曲に関してだけ言えばハッピー・エンドじゃなくてもいいような気がするんですけど、でもこういうシチュエーションも当然あるわけでそれはそれで素直に喜んでおくことにしましょうか。(自分がこんないい目に会ったことがないもんで、どうもいまいちピンとこない??)いやいや、恋愛しているときはだれでも不安な気持ちになりがちですが・・・そんな不安が幸せに変わる瞬間があるという「可能性」を伝えることで、この曲は全ての人への”恋愛応援歌”ともいえるのではないでしょうか?!
PHOTO PRESENTED BY 【Four seasons】
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