Night and Day


Robbie Williams stars in MGM's musical film, "De-Lovely."
Night and day, you are the one
Only you beneath the moon and under the sun
Whether near to me or far
It's no matter darling where you are
I think of you night and day

Day and night, why is it so?
That this longing for you follows wherever I go?
In the roaring traffic's boom
In the silence of my lonely room
I think of you night and day

Night and day, under the hide of me
There's an oh such a hungry yearning burning inside of me
And its torment won't be through
Till you let me spend my life making love to you
Day and night, night and day

コール・ポーターが作詞・作曲した代表的なナンバー、1932年の作品です。ミュージカル『Gay Divorce(陽気な離婚)』で主演のフレッド・アステアが歌い、歌もミュージカルもヒットしたというちょっと珍しいケースです。(たいていはミュージカルがパッとせず、曲だけがヒットして残るというパターンが多いので) その後1934年に『Gay Divorcee(陽気な離婚者)/コンチネンタル』で映画化され、やはりフレッド・アステアがこの曲を歌っています。さらに1946年にはケーリー・グラントとアレクシス・スミスのコンビでコール・ポーターと妻リンダの半生記のドラマを描いた『Night and Day』というミュージカル映画のなかで歌われています。最近では2004年のMGM映画、『五線譜のラブレター』(De-Lovely)のなかで18曲のポーターの作品のうちの一曲としてこの曲も登場し、主役のケビン・クラインとジョン・バロウマンが歌っています。

≪VERSE≫
ジャングルに影が落ちたころの、タムタム・ドラムのトン・トン・トンというビートのように
壁にかかった大時計の、チック・チック・タックという音のように
夏の夕立が去った後の、ポタン・ポタン・ポタンという雨垂れのように
わたしの中である声が繰り返す
あなた、あなた、あなたと

≪CHORUS≫
昼も夜も、あなただけしかいない
月光の下でも太陽のもとでもあなただけ
近くにいようが遠く離れていようがどうでもいいこと
ただ想っているのはあなたのことばかり

といった歌詞で、ヴァース部分からコーラスへの導入がとても自然な感じの曲だと思います。最初にこの歌を歌ったフレッド・アステアはダンサーや役者としての才能は素晴らしかったらしいのですが、歌手としては音が弱くて音域が狭かったそうです。そこでポーターは彼が歌いやすいようにと彼の音域に合わせ、しかも同じ音の繰り返しを並べたのがヴァース部分の「beat、beat、beat」や「tick、tick、tock」「drip、drip、drip」で、そこから「you you you」ときて「night and day〜」と実にスムーズに結がっています。聴いていてすごく気持ちのいいところだと思うのですが、あなたはいかがですか。^^




さて、この曲に関してはアメリカの生んだ代表的な作詞家の代表的な曲ということもあって、とにかく多くのミュージシャンが取り上げています。ボーカルではマキシン・サリバン、ビリー・ホリデイフランク・シナトラ、リナ・ホーン、エラ・フィッツジェラルドアニタ・オデイ、メル・トーメ、トニー・ベネット、キャロル・スローンカーメン・ランディなどなど。インストでは最初にフレッド・アステアの伴奏で録音したレオ・ライスマン楽団から始まり、トミー・ドーシー楽団、アート・テイタム、ジョージ・シアリング、チャーリー・パーカー、オスカー・ピーターソン、スタン・ゲッツ、ビル・エバンス、ジョー・パス、ソニー・ロリンズ、ジョー・ヘンダーソンなど実に多くのアーティストが取り上げています。映画の『五線譜のラブレター』をご覧になった方はサウンドトラック盤でポーター役のケビン・クラインがジョン・バロウマンと歌うシーンを思い出してくださいね。
ところでケーリー・グラント主演の1946年の作品もDVD化されていて、たまたま入手することが出来ました。はからずも現在の作品と60年前の作品を見比べることになったのですが、同じ作曲家の夫婦愛を描いた音楽映画でも全然違っていました。やはりまずテンポが昔の方が悠長で、ともすると記録映画のように起伏のない展開に付いていくのがちょっとシンドイ感じがしました。また『五線譜〜』の方はポーターの性癖である同性愛についてもかなりの部分で取り上げ、お互いが苦悩しながらも乗り越えていく様子を描いているのに対し、46年の作品は全くそのことに触れずに普通の夫婦のままで最後まで通していました。そのへんはやはり時代のせいなのでしょうか、そういう問題について映画にすることはタブーだったのかも知れませんね。でも妻リンダを愛するが故に告白し、なお妻のために多くの曲を作曲する夫と、夫の才能を認め伸ばそうとすることでその愛情に応えようとする妻。その夫婦愛の深さが随所に出ていてとても感動しました。この曲の他に『Let's fall in love』 『Begin the beguine』 『Just one of those things』 『Anything goes』 『Love for sale』 『I love you』 『So in love』 『What is this called love』 などポーターの名曲が随所に出てきましたが、最後に妻リンダとの死別のシーンでナタリー・コールが歌った『Ev'rytime we say goodbye』のところは、特に涙腺の緩んだ中年おじさんとしては涙なくして観ることができませんでした。









PHOTO PRESENTED BY 【About】
     De-Lovely Production Photos
http://movies.about.com/library/weekly/bldelovelypicsa.htm